イライラの原因はカルシウム不足?

よくイライラするのはカルシウムが足りないなどという話を耳にしますね。話半分で聞き流している方も多いかと思いますが、実際にはどうなのでしょうか。実は、カルシウムが人間の体内で精神安定のための働きをしていること自体は事実であり、全く根拠のない話というわけではないのです。ただし、カルシウムの摂取量が不足するとイライラするということはあり得ないのもまた事実です。

 

カルシウムと言うとどうしても骨の材料としてのイメージばかりが浮かぶ方が多いと思いますが、実はカルシウムは体内で様々な用途に使われており、人間の生命活動はカルシウムの働きにかなり依存しています。

 

もしカルシウムが体内で本当に不足すれば、それは命に関わる事態です。ですので、人間は骨にカルシウムを蓄積し、すぐに崩して不足分を補給できるようにしています。脳内でカルシウムが抑制系の神経伝達に関わっていることは事実ですが、カルシウム摂取不足から神経伝達に影響が出るレベルでカルシウムが不足することはありません。そうなるずっと前に、まず骨に酷い圧迫骨折などが発生することでしょう。

 

ただしカルシウムの不足が体に悪影響を及ぼすのは事実で、一つはみなさんがご存じのように骨が脆くなること、もう一つはカルシウムが不足する度に骨を壊してカルシウムを作ると、破骨細胞が骨を少しだけ崩したつもりでも血中のカルシウム濃度は一時的に極端に上昇します。

 

すぐに正常範囲になるように回収されますが、それまでの間に高濃度のカルシウムが筋や靱帯に沈着し石灰化を起こしてしまいます。カルシウムの摂取量が不足する人ほど、カルシウムによる石灰化が起こりやすいため、この現象をカルシウムパラドックスといいます。

 

また、カルシウムとイライラの関係は半ば悪意のない挨拶の一種のようなものとして使われていますので、事実と異なるとしても日常で一々訂正し波風を立てる必要はないと考えます。